昇華転写インクを
ポリエステル生地に浸透させる
専用の「昇華転写インク」でプリントされた転写紙と
ポリエステル生地を重ね、熱と圧力を加えて染色する方法。
昇華転写プリントとは
反転させたデザインを専用のシートに高温の熱で気化するインクで印刷し、繊維に色を浸透させるプリント方法です。
ポリエステル生地にフルカラーでプリントすることが可能です。
熱を加えると、インクが気化するとともにポリエステルの分子の結合がゆるみ、この隙間に昇華転写インクが定着されることで生地に色が定着します。顔料を繊維に付着させる印刷とは異なり、ポリエステル繊維内に色が染み込むため、『染色』になります。
昇華転写プリントの特徴・メリット
生地の風合いを損ないにくく、鮮やかな発色
インクを直接生地表面に乗せていく顔料プリントでは、生地を触った時にはインクの層を触ることになり、生地の風合いを損ねてしまいます。昇華転写プリントでは、生地繊維内にインクが染みこんでいるので、生地の風合いを損ないにくいという特長があります。また、階調表現に優れ、写真やグラデーションのプリントに向きます。また、データを調整することで、細かい色調調整が可能。
高い耐久性
ポリエステルは繊維が丈夫で切れにくいので、他の繊維に比べて耐久性に優れます。 洗濯を繰り返しても縮んだり、形崩れすることがほとんどありません。
昇華転写の場合、繊維内に高温染色されるため、色落ちしにくい特徴があります。化学繊維として比較的熱に強く、日光にさらされることによる劣化も少ないです。
小ロット、短納期対応が可能
シルクスクリーン印刷などのような製版工程、乾燥工程がないため、短納期対応が比較的に可能です。版が無いため同じものを大量に複製するのには向いていません。
昇華転写プリントのデメリット
ポリエステルにしかプリントできない
ポリエステル繊維のもつ熱浸透性を利用しているため、ポリエステル100%の生地以外にはプリントできません。逆にポリエステルであれば、ベロア生地やメッシュ、キャンバスなど様々な風合いのものにもプリント可能です。
大量生産には不向き
1点ごとに転写シートに反転した版を作っているようなものなので、同じものを大量に作っても、1点あたりのコストはさがりようがなくm単価がさがりません。